現場の新型コロナ観 最近の質問から
日々の診療中に患者さんからいろいろ質問を受けます。
世間にはさまざまな情報が飛び交っておりどれが正しくどれが適当か判断に迷います。
以下は当クリニックの見解としてご覧ください。
・新型コロナウイルスワクチンについて:安全で重篤な副反応のないワクチンです。注射部位の疼痛は高率にみられます。若い方には発熱も多く見られますが重症化することはありません。不幸にして高熱が出てしまった方もいらっしゃいますが当院では2-300例のうちに一人くらいの割合です。発熱に対しても解熱剤は必須ではありません。服用したい方はアセトアミノフェンやイブプロフェンなどをお勧めします。ワクチン接種後の関連死亡が多くみられるなどの情報を見受けますがほとんどすべてガセネタです。
・ワクチン接種後の抗体価の低下について:抗体価は予防効果の指標のひとつですが全てではありません。免疫には記憶機能があります。抗体価減少後でもウイルスが入ってくると体が反応してウイルスを排除します。よって抗体価の減少をいたずらに恐れる必要はありません。またワクチン接種後に抗体価を測定することにも研究目的以外にほとんど意義はありません。予防策を徹底するのはワクチン以前,以後とも変わらないのですから。
・新型コロナウイルスワクチンの3回目接種について:まだいつどんな形で接種が行われるか決まっておりません。このまま流行が沈静化した場合は接種が不要になるかもしれません。前項の免疫記憶のこともあり、必須とも言えません。それよりなるべく多くの人が2回接種すること。ワクチン接種率の低い国に供与することが大切です。お若いかたの重症化率が極めて低いことから、高齢者や重症化リスクのある人に限って接種するのが実際的でしょう。
・イベルメクチンについて:治療効果はほとんどありません。
・空気感染について:一部の感染例や実験、シミュレーションなどによって新型コロナウイルスが空気感染する可能性が示唆されています。けれどもインフルエンザ感染期のような学級閉鎖、学年閉鎖がほとんど見られない、そもそもインフルエンザは空気感染ではありません、こと。N95のような高性能マスクでなくても感染予防効果がみられていることから、空気感染の危険性は高くないと考えます。これまでどおりの感染予防を心がけてください。
以上、実際に日々の診療でお尋ねのあったことにわかる範囲でお答えいたしました。
ご参考になさってください。
210919
今日は集団接種会場で予診医でした、の
たけしたあきひろ
追伸:あ,あと,アビガンもほとんど効果ないです。