花粉症の処方
[2018.03.12]
今年の花粉はただ者ではないようで,
患者さんの数は多いし症状も重い。
先ほども十数年ぶりで花粉症が発症したという女性が来院された。
こうした疾患だから対応する薬品メーカーの気合もハンパなく,
薬剤の種類は大変多く,
膨大な種類のおくすりからどれが適切か選ぶことになるんだけど,
だいたい皆さん贔屓のブランドが決まっている。
花粉症だけ毎年診察に来院されるかたも多く,
一月末から二月半ばにいらして
「いつものね」とコーヒーショップで愛飲するキリマンジャロを頼むように
抗アレルギー剤の内服薬と点眼薬,点鼻薬を持っていかれる。
こちらも心得たものでスギだけで済むか,ヒノキまでカバーするか,
花粉症の終焉までまかなえるように60日とか90日とかを処方する。
この冬は例年以上に寒かった。
それでも花粉症の患者さんたちは寒風に吹かれながら,
おくすりを取りに来られた。
クリニックにその年最初に訪れる春の便りは
春告鳥ならぬ
敏感な鼻をもった花粉症の患者さんたちなのである。